エディター
「エディター」とは雑誌の編集者を頭に浮かべるが、映像編集者も「エディター」(正式には「映像エディター」)と呼ばれる。映画やテレビ番組で、撮影済みのフィルムを監督や脚本のイメージにしたがって編集するのが映像エディターの仕事である。映像エディターの仕事は大別すると2つある。
1つは、収録された番組を定められた放送時間内に収まるように再編集し直すこと。特にテレビ番組では、秒単位で放送番組の時間枠が定められており、通常は規定された放送時間よりも長めに収録される。
「録画収録したものの時間が余る」というのでは困るため、わざと長めに収録するのである。そして、NG場面や不要箇所をカットしたり、逆におもしろい場面や強調したいシーンをくり返すなどの編集を行う。
2つめの仕事は、録画された映像を別の形に編集し直すこと。スポーツニュースで多く見られるダイジェスト版を制作したり、NG特集や名場面・珍場面を再現するなど、視聴者の興味関心を最大限に引き出すことを念頭に置く。
映像エディターの仕事は、時間と格闘しながらも視聴者の好奇心を刺激する点で非常におもしろい。当然、映像の要・不要を見極める俊敏で的確な判断力や決断力が要求されるが、ハイテク化した編集機器を駆使しながら、コンマ数秒単位で映像を切り貼りする技能も要求される。
ポストプロダクション
ポストプロダクション業務とは、映画やテレビ番組、CMなどの映像コンテンツ制作後の仕上げ業務を指す。もともと映像コンテンツの制作工程では、企画・制作・撮影といった「プリプロダクション」と、収録後の素材を仕上げる「ポストプロダクション」の2段階を踏んで制作される。
具体的には、フィルムやテープ、ディスク等に記録された映像や特殊効果などの主要な情報を編集し、テロップなどの文字情報や効果音、ナレーション、BGMなどを後付するのが主な仕事。
その他にも見る人に驚きと感動を与えるVFX(ビジュアル・エフェクト)やCG制作等の業務、さらに完成した作品を放送局などの納品規格を満たすものにする技術的サポートや、DVDやweb等の様々な納品形態に変換する作業も、ポストプロダクションの領域である。