映画館②
映画館は1993年に戦後最低の数字(1,734館)になったことは先のページで紹介しましたが、そのピンチを救ったのが「シネマコンプレックス(通称シネコン」でした。
シネマコンプレックス(シネコン)とは1つの映画館に複数(基本的には5つ以上)のスクリーンを持つ大型映画館の事を言います。現在の日本では当たり前になったこのシネコンですが、日本に出来たのはまだ30年ほど前と歴史は非常に浅いんです。
現在日本には約10ブランドほどのシネコンがあり、最も多く展開しているのがイオングループのイオンシネマです。他の代表的なシネマとしてTOHOシネマズ、ユナイテッドシネマ、109シネマズ、MOVIXで代表される松竹マルチプレックス・シアターズ、T・ジョイなどがあります。
ではこのシネコンは従来の映画館とはどのような違いがあるのでしょうか。
①:映画館の構造
従来の映画館とは異なりロビーや売店、入口、映写室などが1つになっており、劇場内でも「スクリーン1」「スクリーン2」などのような統一性のある名称がつけられています。また1作品ごとの完全入れ替え制のシステムで、原則指定席になります。以前のように入場した順に好きな席をとるという事ではなくなったので、事前にインターネットや発券機で席を予約することができます。
また椅子もゆったりとした椅子になり、音響システムも最新のものを、床の傾斜も大きくなっており、以前の映画館よりも快適に映画を見れるようになりました。
②:上映スケジュール
従来は映画配給会社が契約した映画館に対して上映作品とその公開日・最終日を決めるシステムがとられていましたが、シネコンでは小規模~大規模までスクリーンがあるため、人気作品と公開してから時間が経過・客足が落ちた作品とで会場を使い分けが出来るようになりました。
③:立地
シネコンの多くがショッピングモールやスーパーマーケットといった大型商業施設に併設されています。そのため以前のように映画だけを見に来るために来館するというよりはお買い物や食事をするついでに映画をみる(またはその逆)ようなライフスタイルに変化してきました。
しかも大型商業施設の場合は大型の駐車場を併設しているため、地方の人やファミリー層では車での来館が出来るようになりました。